「英語を話せるようになるにはどうしたらいいですかね?」そう聞かれた場合、最近まで私はこう答えていました。
「文法と語いを勉強して、たくさん実践すればいいですよ」
身も蓋もない正論に聞こえますよね。
ただ最近は、身も蓋もないだけで、「正論」ですらなく、少々「間違っている」のではないかと思うようになりました。
そこでこの記事では、今の言葉のどこが「間違っている」のか、そして英語が話せるようになるおすすめ勉強法について紹介します。
「たくさん話せば解決」ではない!
日本人が英会話を苦手としているのは、「話す機会が少ないからだ」と思いがちですよね。
確かに、話す機会が少ないのも重要な要因だとは思いますが、見落とされがちな重要課題があるのです。
それは、英語学習には「膨大なインプットが必要」だということ。
インプットとは、「読む」「聞く」学習のことです。
英語習得に役立つ第二言語習得論で「スーザン・ガスの4つのプロセス」があります。
インプットには、以下のような4つの段階があるという考え方です。
インプット
↓
- 気づき(英語を意識的に聞くようになる)
- 理解(単語の意味を理解する)
- 内在化(今までのインプットを使って仮説と検証を繰り返す)
- 統合(短期記憶にとどまっていた知識を長期記憶に落とし込む)
↓
アウトプット
この4つの段階を経て、ようやくアウトプットができるようになるというのです。
つまり、必要なインプットの量は計り知れないということになります。
「話すこと」が足りないせいだけではありません。「読むこと・聞くこと」も全然足りていないのが、日本人が英会話を苦手としている原因なのです。
「文法と語いを勉強する」=「インプット」ではない
今まで私は、「文法と語いを勉強すること」が「インプット」なのだと思っていました。
しかし、「文法と語いの勉強」は、あくまでインプットの前段階で、「インプット」とはちょっと違うのではないかと思うようになりました。
前のセクションで言いましたが、「インプット」とは、英語を「読むこと」・「話すこと」ですよね。そのため、「インプット」とは、「勉強」ではなく、「英文をたくさん読むこと」と、「英語をたくさん聞くこと」といえます。
そして意外に、日本人は、英語を「聞く」練習以上に、「読む」練習が圧倒的に足りていないのではないかと思いました。
私自身、大学で言語学研究室に所属して以来、教科書がほぼ全部英語で、しかも読み込んでいかないとめちゃくちゃ怒られて、毎日泣きながら洋書を読んでいたことを思い出します。
おすすめ勉強法
「英語を話せるようになるにはまずインプット、特にリーディングの数をこなして」と言いましたが、「英語をたくさん読めばいい」というわけでもありません。
英語を話せるようになるには、「読む」「聞く」「書く」「話す」の四技能をバランスよく鍛えることが重要です。
そこで、四技能をそれぞれをバランスよく鍛えるにはどうしたらいいか、一例を紹介します。
英語を「読む」インプットを増やす
私は、オンライン英会話のレッスンで、英語のニュースを読んでディスカッションをするのがシュミです。
昔から「英語を上達させるには、英字新聞を読め」とは言われてましたよね。
英語のニュースを読むのはとてもおすすめなのですが、初心者の方にはハードルが高いかもしれません。
そこで、日本のマンガの英訳バージョンを読むのはどうでしょうか。
私もイギリス留学(初めての留学3週間目)でヒマだった時、「美少女戦士セーラームーン」の英語版が手に入ったので、読んでいて夢中になりました。
なかなか楽しいのでおすすめです。
英語を「聞く」インプットを増やす
リスニングを鍛える英語学習法としては、NetflixやYouTubeなどで「洋画や海外ドラマを見る」という勉強法が、よくおすすめされていますよね。
洋画やドラマを見る場合は、最初は字幕アリで内容を把握することから始めていいと思います。
その後、英語に集中しながら見直す→何度も見直す→字幕なしで見る というのが一つの方法です。
また、洋画や海外ドラマを見る習慣がない人は、日本のアニメの英語版を見ると良いのではないかと思います。
例えば「となりのトトロ」の英語版は、初心者さんにもおすすめです。
英語を「書く」アウトプットを増やす
「英語日記」という勉強法も人気ですよね。私もイギリス留学時代、英語で日記をつけることを習慣にしていました。
「英語日記」では、日々のことを英語で書いた上で、そのことについてトークしたり、ディスカッションしたりするそうです。
「自分事」なので、ディスカッションも弾みそうですね。
英語を「話す」アウトプットを増やす
英会話の量をこなすためには、個人的に「留学が最強」だと思っています。
社会人の方でも、20代ならワーキングホリデーを利用して、留学に近いことはできると思います。
ただ、30代以上の人は、留学となるとなかなか厳しいですよね。
そうすると、基本的にオンライン英会話頼みになると思います。
ただ、オンライン英会話は、話しっぱなしでは身につかないとよく言われています。
話しっぱなしで「勉強した気になって」終わらせないで、予習・復習をして、話した内容を定着させましょう、というのが一般的です。
ただ、個人的には戦いは数じゃないかなぁとも思っています。
オンライン英会話を1日1回、何なら2回ずつこなす勢いなら、話しっぱなしでも十分伸びるんじゃないかなぁ……と思います。
「仕事が忙しくてそんな時間は取れない」という方は、時間の捻出の仕方について英語コーチに相談してみるのはどうでしょうか。
英語コーチングに興味のある方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
おすすめのオンライン英会話スクールを紹介しているのはこちらの記事です。
まとめに替えて
日本人は「英語読解」の学習は十分積んでいる、と考える人も多いと思います。
ただ私は、学校英語の「読解」の学習は、「(読む)インプット」と、少しズレているのではないかと思います。
「問題を解くために英文を読む」のは、まるで感想文を書くために本を読むようなもので、それは果たして本当に「英語を読んでいる」といえるのか。
私はオンライン英会話で、「このトピックでディスカッションしたいから、情報を得るために、英語のニュースを読む」学習をしていますが、画面の向こうの先生も、「興味のあるトピックを使って学習した方が効果が高い」と言っていました。
「文法と語いを勉強した上で、たくさん読んで・聞いて・書いて・話すといいよ」
これが今の私の「正論」です。
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