英語の発音を良くするにはどうしたらいい?効果的な練習法とは

英会話

英語の単語や文法の知識は充分なのに、発音がネックになって英会話が通じないという人、多いみたいですね。
「大人になったらきれいな発音を身につけるなんてムリ」「自分は耳が悪いからムリ」などと決めつけている人も見かけます。
でも、最低限「通じる発音」はトレーニング次第で誰でも身につけることができるんです。
今回は、「英語の発音を良くする方法」について紹介します。

まずは英語の発音の「ルール」を知ろう

英語の発音を身につけるのにまず必要なのは、「座学」です。英語の発音について、正しい知識を得ましょう。
特に、「日本語にない音」の知識や、「日本語にない現象」の知識を理解しておくのは不可欠です。
きちんとした知識がないままトレーニングに入ってしまうと、変なクセがついてしまったり、発音習得の効率が悪くなったりしてしまいます。

英語の個々の音を理解しよう

日本語の母音は、「あ」「い」「う」「え」「お」の5つですよね。でも、英語の母音は大きく分けても10個以上あります。
特に日本語の「あ」に当たる音は、/æ/・/ɑ/・/ʌ/・/a/ の4つと言われています。
日本語で一緒くたに「あ」とまとめてしまっているものを、4種類に区別して発音しなければならないんですね。

きちんと発音し分けないと、「hat」と「hut」のように、意味に違いが生じてしまうので、きっちり発音し分ける必要があります。

そして、英語には「日本語にない音」も。母音だと /ǝ/ は「中間音」といい、「あ」「い」「う」「え」「お」のちょうど真ん中に位置する音です。
「about [ǝbaʊt]」の語頭の「ア」のように、ごくごく弱い「ア」というか、力を抜いて口をだらしなく広げ、「アー」と発音すると、この音になります。

英語は、母音も子音も日本語より多いので、たくさんの音を学び、きっちり発音し分けなければなりません。

英語の個々の音を学ぶ方法としておすすめなのが、発音記号フォニックスです。

発音記号は少し小難しいイメージがあるかもしれませんが、一度覚えてしまうと、英語の発音習得を効率よく進めることができます。

フォニックスについてはこちらの記事を参考にしてください。

音声変化を理解しよう

音声変化とは、「自然な発話の中で単語の形が元の形と違って発音されること」です。
例えば、「Look at this picture.」という文は、「ルック・アット・ディス・ピクチャー」とは発音されません。

まず、「Look」の /k/ と「at」の /a/ がくっついて、「ルッカッ」のように発音されます。
この「語尾と語頭の音がくっつく」現象をリンキングといいます。日本語で「連結」といったり、フランス語で「リエゾン」と呼ぶケースもあるみたいですね。

さらに「at」の語尾の「t」は、次に続く「this」の影響もあり、発音されません。この現象をリダクション(脱落)といいます。

単語にもともとあったはずの音が、変わったりなくなったりするのは、日本語にはない現象なので、戸惑う人も多いと思います。
しかし、この現象を頭で理解しているかどうかで発音習得は大きく変わってきます。

アクセント・リズム・イントネーションを理解しよう

アクセント

アクセントとは、英単語のうち特定の音節を強く読むことです。「ストレス」ともいいます。
例えば、「English」という単語は、「Eng・lish」の2つの音節で構成されており、最初の音節「Eng」にアクセントを置くと自然です。

リズム

英単語には、「内容語」「機能語」があります。
名詞・動詞・形容詞のように、文の内容を左右する重要な単語が「内容語」で、前置詞・代名詞のように文法をサポートする単語が「機能語」です。

英語では、内容語を大きくゆっくり発音し、機能語を弱く素早く発音します。
例えば、以下の例文をみてください。

John bought a flower for his wife.

この文は、次のような意味のまとまりでとらえることができます。

John | bought | a flower | for his wife.

この中の名詞や動詞を強く読み、それぞれの意味のまとまりを、同じくらいのスピードで読むのが、英語のリズムです。

冠詞「a」はごく弱く。「for」と「his」も「ファ」「ッズ」と消えかかりそうに弱く素早く。

実は私も、内容語を弱く読むのが苦手で、英語のレッスンでよく注意されます。

イントネーション

英語の文は、イントネーション1つで大きくニュアンスが変わります。

You are a writer.⤵︎ と発音すると、そのまま「あなたはライターですね」という意味に。
You are a writer?⤴︎と、疑問文にしなくてもそのまま「あなたライターなの?」と尋ねる意味になります。

ほかにも、You like fish?という文は、どこを強く発音するかでニュアンスが全く変わってきます。

YOU like basedall?…野球が好きなのって、あなたなの?(別の人だと思ってたけど)
You LIKE baseball?…野球が好きなの?(てっきり嫌いだと思ってたけど)
You like BASEBALL?…野球なんか好きなの?(野球が好きなんて私には信じられない)

イントネーションで伝わるニュアンスは、理屈で理解するのは難しいと思うので、ここでは「イントネーションによって文の意味が大きく意味が変わる」ことだけお伝えしておきます。

発音トレーニングの方法

シャドーイングを極める

シャドーイングとは、聞こえてくる英語音声をシャドー(影)のように追いかけて発音するトレーニングです。
最終的には、目の前にスクリプト(書き下し文)はナシ、音声情報のみでお手本を真似られるようにします。
リスニング力とスピーキング力が同時にトレーニングできる上、リスニングにかなり集中しなければならないので、非常に高い学習効果が望めます。

その一方で、難易度も非常に高いので、初心者がいきなりシャドーイングに臨んでしまうと、挫折する危険があります。

まずはスクリプトを用意して、お手本の音声をまねて音読しましょう。扱う教材も背伸びせず、ジブリ映画の英語版などから始めるのがおすすめです。

ひとしきり音読したら、今度はオーバーラッピング。スクリプトを見ながら音声を流して、音声と同時に発音します。
音声変化などのルールをきちんとおさえていないと、意外とついていけなかったりします。

オーバーラッピングもひとしきり終わったら、シャドーイングをしましょう。
最初はここまで手順を踏みます。

シャドーイングを極めたら、初めて聞く英語音声でもついていけるようになるそうです。
そこまで極めたら、発音に限らず英語力も相当アップしているでしょう。

ちなみに私はシャドーイングが大の苦手です。

アプリで腕試し

最近AIの発展が目まぐるしいですが、その恩恵は英語学習分野にも及んでいます。
「スピークバディ」「ELSA Speak」には細心の音声認識AIが搭載されているんだとか。

ELSA Speakは私も体験しましたが、「AIが自分に合ったカリキュラムを組み立ててくれる」のにびっくりしました。
ちなみに結構スパルタでした。

ただ、音声認識AIを搭載した発音アプリは基本的に有料なので、まずは無料の発音チェックアプリから試してみるのがおすすめです。
無料アプリでも、発音記号レベルでどの部分が合っているか、〇✕や点数で判定してくれます。

より高い精度を求めるなら、AI搭載のアプリを利用するとよいでしょう。

英語コーチングの利用

英語コーチングとは、受講生それぞれのオーダーメイドされたカリキュラムを使い、専任のコーチが目標達成まで伴走してくれるサービスです。
実は、英語コーチング業界には、発音矯正に特化したスクールが続々と増えています。

発音特化英語コーチングでは、日本人バイリンガルコーチが、口の形や筋肉の動きなどについてマンツーマンで指導してくれるので、非常に効率よく発音を習得することができます。

また一般的なコーチングは、受講期間が終わっても、独力で学習を続けられるように工夫されているので、受講期間後も発音をブラッシュアップしていくことができます。

まとめにかえて:発音習得は「トレーニング量」も大事

この記事の冒頭で「まずは正しい知識を得ることが大事」と強調しましたが、知識だけで発音できるようにはなりません。
頭ではリンキングという現象を理解していても、いざ実際の英語音声に触れると、なかなかついていけないというケースが出てくると思います。

これは、脳の処理の問題でもありますし、それ以上に、「英語に必要な口の筋肉が発達しておらず、口が回らない」せいといえます。

そのため、発音トレーニングは、口の周りが少し痛くなるくらい何度も、そして毎日コツコツと行うことが必要不可欠です。

正しい発音の習得は、決してラクな道のりではありません。しかし、正しい方向性でトレーニング量を確保すれば、誰でも必ず習得できます。

ネイティブのようなかっこいい発音を手に入れたいと思ったら、さっそくトレーニングを始めましょう!

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