英語を習得する方法はシンプルです。「文法と語いをしっかり勉強して、たくさん実践すること」。
適切な食事制限をして、筋トレと有酸素運動をすれば、ほぼ必ずダイエットに成功するのと一緒です。
ただ、文字通りそれを実行できるなら、誰も苦労はしないですよね。
ダイエットだって、食事制限や運動がキツいから、少しでもやりやすい方法を考えるんです。
でも、英語学習もダイエットも、ネットの情報やブームに踊らされて、失敗してしまうことが多いですよね。
この記事では、英語学習のベースとなる「文法と語いをしっかり勉強して、たくさん実践すること」に少し本気で向き合ってみましょう。
文法のおすすめ勉強法
英語を習得するためには、まず文法を学ぶ必要があります。
英会話の際は、正しい文法を話そうと意識する必要はありませんが、英語力アップのためには、正しい文法知識を把握しておくことが大事です。
効率的な文法学習法とは
効率的な文法の勉強法としておすすめなのが、文法書を読むことです。ただし、単に学校英語を焼き直しただけの本ではなく、ネイティブスピーカーの視点から文法を解説している本です。
例えば、現在完了(have+過去分詞)には、継続・完了・結果の3つの用法があると学校で習いましたよね。
でも、ネイティブは現在完了を3つの用法に分けて把握しているわけではありません。ネイティブの頭には、3つの用法に共通する、1つのイメージがあるだけです。
3つの用法を覚えるのではなく、1つのイメージを覚えた方が効率的だと思いませんか?
学校英語には、このような「ムダ」がたくさんあります。
学校英語をまとめなおした本でしっくりくるものがあれば、それを使ってもよいのですが、より時間の短縮になる、「ネイティブの視点で文法をすっきりまとめなおした本」をおすすめしたいです。
おすすめ文法書
文法の学習参考書としておすすめなのは、以下の3冊です。
関正夫『世界一わかりやすい中学英語の授業』
「スタディサプリ」でおなじみの関先生の文法解説書です。
本当に分かりやすいです!さらに、中学生向けではなく、完全に大人向けに書かれた本なので、大人ならではの「日本語力」を使って効率的に学習できます。
久保聖一『1回読んだら忘れない中学英語』
「mustは『熱血スポーツマン』」「shouldは『優等生』」「mayは『上から目線で優柔不断』」などという「イメージ」を使って文法知識を覚えることができます。
肘井学『高校の英文法が1冊でしっかりわかる本』
高校の時分かりづらかった「仮定法」や「現在完了」がイメージで分かるのはこの本です。
ちなみに、高校英語の解説書として私が衝撃を受けたのは、NHK英会話で有名な大西泰斗先生の『英文法をこわす』です。
単語を100倍効率よく勉強する方法!?
文法の学習法では、「ネイティブの視点から解説した参考書」を利用すると、覚えなければならない内容が減るとお伝えしました。
実は、単語の学習でも、覚えなければならない内容が劇的に減る方法があるんです。
単語のおすすめ勉強法
単語の学習法としておすすめなのが、単語を細かく分解して覚える方法です。
例えば、「respect(尊敬する)」という単語は、「re-(再び)」と「spect(見る)」に分けて覚えます。「振り返って二度見するほど尊敬すべき人」という意味合いです。
この方法の便利なところは、分解した部品がそれぞれ使いまわせるところです。「re-」は「repeat(繰り返す)」「resume(再開する)」「revive(復活する)」などに「再び」という意味で使われています。
また、「spect(見る)」は、窓の外を見て心待ちにするイメージの「exspect(期待する)」や、建物の中を覗き込むイメージの「inspect(調査する)」、未来を見越すようなイメージの「prospect(見通し)」に使われています。
そして「ex-」や「in-」、「pro-」なども、全て部品として使いまわせる言葉です。
これら全ての部品について解説した参考書を、次のセクションで紹介します。
おすすめ単語学習書
肘井学『語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本』
実は、前のセクションで紹介した「部品」の正体は、「語源」でした。
語源というと、小難しくてとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、この本は四コマ漫画で分かりやすく解説してくれるので、楽しく学習が進められるかと思います。
関正生『世界一わかりやすい英単語の授業』
この本も、とても分かりやすく英単語がまとめられています。
語源で覚える方法も引き合いに出されていますが、語源以外の覚え方も提案されているので、初心者におすすめの参考書です。
ただ個人的には、英語に慣れてきたら、ぜひ語源にチャレンジしてほしいと思います。
語源を扱ったある学習参考書の帯には、「語源を利用すると、一つ一つ単語を覚えるより100倍効率的だ」というようなことが書かれていました。
おすすめ実践方法:オンライン英会話を活用しよう
文法と語いをある程度把握したら、今度は実践あるのみです。
今、日本でたくさん英会話をこなせる方法は、オンライン英会話でしょう。
ただ、「いきなりネイティブ講師と話すのは怖い」という人もいれば、「オンライン英会話を受講したけど、英会話力が伸びなかった」という人もいるかもしれません。
そこで、次のセクションでは、それぞれのタイプに向けた攻略法を紹介します。
初心者向け攻略法
「いきなりネイティブと話すのは怖い」という人や、「受講してみたけど、”Yes” “No” “Thank you”しか言えなかった」という人には、日本人バイリンガル講師が所属しているスクールがおすすめです。
日本人バイリンガル講師のもとで、ある程度実力が付いたら今度は、親しみやすい雰囲気のフィリピン人講師のレッスンを受けてみましょう。
フィリピン人講師というと、「発音が下手なんじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、オンライン英会話スクールのフィリピン人講師は、一流大学出身者が多く、クオリティの高いレッスンを提供しており、発音もきれいです。
その後ネイティブ講師とのレッスンに臨んでもいいと思いますが、個人的には、ネイティブ講師にこだわる必要はないと思っています。
オンライン英会話に失敗した人向け攻略法
「オンライン英会話を受講したけれど、英会話力が伸びなかった」という人は、もしかしたら英会話のレッスンを受けて、「英語を勉強したつもり」になっているだけで、その後何もしていないのではないでしょうか。
よく言われていることですが、大人の言語に対する感受性は、子どもよりもずっと低くなっています。
ただ単に英会話をしただけでは、英語力が向上するということは期待できないと思います。
大切なのは、レッスンの前後に予習・復習をすること。特に復習のためには、話している自分の音声や映像を記録できるスクールを選ぶと良いでしょう。
記録ができなくても、先生からのフィードバックを見直したり、自分の発言をノートに書きだして学習のテーマにしたりするのがおすすめです。
四技能を鍛えよう
オンライン英会話では、「聞く」能力と「話す」能力しかトレーニングできません。
そこで、自分がレッスンの中で話した内容を「書いて」「読む」ことで、4つの技能を連動させてトレーニングすることができます。
英語学習においては、「読む」「聞く」「書く」「話す」の「四技能」をバランスよく鍛えると効率的です。
奇妙なことに、日本には「TOEICスコアは900点以上を保持しているけど、英語は話せない」という人がたくさんいます。
これは、TOEIC、つまり「TOEIC Listening & Reading test」に向けてリスニング能力と読解能力だけを鍛えた結果、英会話力が育たなかったせいだと思われます。
もちろん、そういう人たちは、適切なトレーニングをすれば、爆発的な成長を見せるそうです。ただ、なかなか会話力を向上させられず、苦労している方も多いとか。
後から苦労して個別の能力のトレーニングをするよりは、4つの技能を連動させてトレーニングすると、より効率的に英語を習得することができるでしょう。
「英語コーチング」もおすすめ
今、じわじわと広がってきている英語学習の手法として、「英語コーチング」があります。
「英語コーチ」が一緒に相談しながら学習目標を立て、その目標に向けて受講者に合った学習法をカスタマイズし、学習をサポートしてくれるシステムです。
ただ、大手コーチングスクールの受講料は、月額10万円以上。もともと企業エグゼクティブをターゲットにしたサービスなのです。
しかし最近は、中・小規模のスクールや、フリーランスで活動しているコーチが、リーズナブルな価格でコーチングを提供しています。
プロの視点から「自分に合った学習法」を提案してもらえると、英語学習を効率的に進められます。英語学習ツールの一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
英語を習得するには、文法と語いを勉強して、たくさん実践すればいい。
身も蓋もない言い方ですが、このシンプルな道筋をたどるだけでも、さまざまな「やりよう」があります。
単語や文法は、ネイティブの視点に立った方が、覚える内容が少なくて済むということ。
これは、学校で英語を習う際はまだ子どもだったけれど、現在は大人としての理解力を使えるからこそ、選べる手段だと思います。
また、オンライン英会話は、「話しっぱなし」ではほとんど意味がなく、四技能をバランスよく鍛えると効果的であるということ。
これはとても大切なことなのですが、あまりにも認知度が低いことだと思います。
このブログでは、英語学習における様々な「やりよう」を紹介していきます。
それによって、皆様の英語学習をサポートできれば幸いです。
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